一般社団法人 日本褥瘡学会

理事長挨拶

理事長 写真

一般社団法人 日本褥瘡学会 理事長
藤田医科大学保健衛生学部看護学科
老年看護学分野・教授
藤田医科大学研究推進本部
イノベーション推進部門
社会実装看護創成研究センター・
センター長
須釜 淳子

このたび、2023年8月の社員総会後の新理事会で、一般社団法人日本褥瘡学会理事長を拝命いたしました。日本を代表する褥瘡医療を牽引されてこられました諸先生方が大切に築き上げてこられました本学会を引き継ぐこととなり、大変光栄であり、かつ身の引き締まる思いです。学会の発展に尽力する所存です。

本学会は、褥瘡や創傷管理に関する教育、研究、専門知識の増進普及を図り、褥瘡の管理(予防、治療およびケア)の充実を通じて、医療、介護ならびに福祉の向上を目的として活動を続けて参りました。第25回学術集会特別企画(2023年9月1日)において、「その時歴史が動いた:日本褥瘡学会25年の歩み」が催され、改めて変遷を振り返る機会となりました。本学会が patient centered careを共通理念として熱く議論し、DESIGN-Rの開発、褥瘡予防・管理ガイドラインの作成、褥瘡関連項目に関する診療報酬・介護報酬への政策提言など具体的な行動をとおして、チーム医療を創り上げていったことが実感されます。この歴史を今後も継承する活動を行って参ります。

さらに、25年間培ってきた成果(エビデンス)を社会実装し、普及する活動にも注力して参ります。現在、学会から「褥瘡予防・管理ガイドライン第5版」を発刊しています。褥瘡発生危険がある人、褥瘡を保有する人に対する予防・治療が多様な環境で行われており、ガイドラインの実践への適用も多様であると考えます。それぞれの場所・組織におけるガイドラインの推奨事項適用の過程を明らかにしたり、また適用する上での阻害因子・促進因子を検討したりし、その普及に尽力したいと考えます。

国民の褥瘡に対する関心を高めようと2016年に床ずれの日(10月20日)を提唱しました。「人生100年時代」を迎え、国民の中にもフレイル・ロコモ対策に対する気運が高まってきています。フレイル・ロコモ対策は褥瘡予防に関連しており、本学会も積極的に国民への情報発信をしていきたいと存じます。

最後になりましたが、学会の活動を担っていただく会員の皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。